入院仲間の思いで 後編
入院仲間の思い出話の続きです
75才のeさん
この病院とのおつきあいも長く、何でも知ってらっしゃっる。しかも頭脳明晰でみんなのリーダー的存在。
大きなぬいぐるみみたいにふっくらしてらっしゃいますが
「40代50代はほっそりしててイイ女だったのよ〜」
まさしく愛されキャラです。
人生いろいろ〜♪あってドラマチックなお話は無尽蔵にありそうでした
3.11の日も…
eさんは外来病棟に用事があり車椅子で一階に…
地震のあとエレベーターは全部ストップ
どうしてるかしら?と部屋のみんなで心配してたところ
「ただいま〜」
とひょっこり帰ってきたのです。
「えー?!」と驚く私達に
「男の人7人で車椅子ごと7階まで階段を抱えて上げてもらったわよ〜」
eさんはたぶん70キロ以上
スケールが違いました…
私の退院の前日には…
eさんが廊下に向かって「こっちこっち」と誰かに大声で手招きしています
するとウエイターさんの格好の若い男性が大きな袋を抱えて入ってきました
「一人に一つずつ置いてってちょうだい」
私達の病室はカフェに早変わりしたかのようでした。
みんなのテーブルにはそれぞれ
部屋中にコーヒーの香りが漂って…
eさんの声が響きました
「これは、私のおごりよ」
「さあ今からスージーさんの送別会をしましょう!」
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あの時のコーヒーの味は忘れられません
たぶん、一生……